2017年7月某日。
日中の暑さもやわらぎ日が沈みかけた午後6時、
私は静岡県西部に位置する浜名湖周辺の山間に一人たどり着きました。
今日は土曜日。
静岡市内から車で静岡駅へ、その後新幹線に乗り浜松駅へ。
浜松駅南口のレンタカー屋で車を借り、さらにそこから40分ドライブ。
天浜線寸座駅近くの山を車で5分ほどのぼり、そこからさらに山道を歩いて5分。
やっとたどり着いたのはここ。
天浜線と浜名湖が見渡せる撮り鉄にとってはたまらないであろう
絶景スポット。
いえいえ、私は撮り鉄でも、絶景マニアでもありません。
お仕事なのです。
翌日の「ことりっぷMagazine」表紙撮影の下見であります。
ここ場所から、浜名湖と電車、
かつマリメッコ電車という1か月のうち、数日しか運行しないレアな電車を撮影するのです。
電車の撮影は、時間との勝負。
当日現場へ向かってる途中、道に迷ったなんてありえない失敗なのです。
よし、道も完全に覚えたし
撮影スポットの確認もOK。
そのまま、浜名湖のほとりにある舘山寺温泉の安宿へ宿泊。
翌早朝より撮影がスタートするため早めに就寝。
そんなこんなで迎えた撮影日では、
カメラマン、ことりっぷ編集スタッフ2名、
浜松市ご担当者と天浜線ご担当者2名、私の計6名でそのシャッターチャンスを待ちます。
奥から来ました、来ました!
シックな色合いの車体、マリメッコ電車は
ゆっくりと、そして確実に、浜名湖と車体のベストポジションに向かってきます。
カシャ。
カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ。
カメラマンが必死にシャッターを押します。
その数秒間、動画でもないのに
周囲のみんなはそっと息をひそめていました。
シャッターチャンスは一瞬。
まさに数秒で終わった撮影は、もちろん大成功。
マリメッコ電車の車体の程よい存在感と浜名湖と空と周辺の街並みのバランス。
言うことありません。
そして数か月後、出来上がった冊子がこちら。
あれ??
写真が違うじゃん!と思ったあなた。
そうなのです。
表紙写真は2案撮影しており
(こちらも朝6時半、浜松市北区の都田駅より撮影)
あの写真はボツになってしまったのです。
表紙って、その媒体を手に取ってもらえるのか、もらえないのか
一瞬で判断をされてしまうほど重要なものです。
そんな、とある冊子の表紙にまつわる裏話でした。
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