今日はカメラ雑誌でもあまり取り扱わない話を書いてみようかな。
これからお見せする写真は、さっき撮影したばかりの
ローストビーフ(バケット)のサンドウィッチの写真です。
撮影ディレクション(撮影監督)は僕が行い、撮影アングルの決定とカメラの操作自体は平岡カメラマンにやってもらいました。照明は二人で調整。


縦の写真で見にくいかもしれませんが、スクロールして見比べてみてください。
ここでちょっと考えてみましょう。
この二つの絵柄のうち、メニュー名である
ローストビーフ(バケット)のサンドウィッチに当てはまる写真はどちらだと思いますか?
ヒントは写真を見た時に、最初に目が行く場所はどこか気にして見ることです。一度目をつぶってからこの写真を見た時に最初に見えた場所ですね。
僕の答えは上の写真です。
どうしてかというと、上の写真は画面の中でローストビーフの赤みに目がいきますが、下の写真はパンに目がいくと思います。
では、反対に下の写真が正解となる条件はどんな時でしょうか?
それは、バケット(パン)そのものを見せたい場合です。
つまり、タイトルが
バケット(ローストビーフ)サンドであれば、間違いなくバケットが主役となりますね。
だから主役のバケットに最も目がいく下の写真の方が適しているでしょう。
あるいは、パン屋さんのために撮影するならば、下の写真となります。
このように、同じ被写体でも撮り方を変えると写っている内容の伝わり方が変わります。
光の作り方を変えることで撮る内容を変えるのです。
被写体の中でどこを主役にするのかを決めること、それが撮影ディレクション(撮影監督)の仕事のひとつだと思います。
ところで、最近、この「決める」という作業が苦手な人が増えてきているような気がします。
それは、もしかしたら物事を見比べて判断する機会が減ってきているからかもしれません。もちろん、ただ見比べるだけでは、どちらでもいいとなってしまいそうですから、決めるためには判断基準が必要です。その基準はどこにあるのか?
今回は、
パンではなくサンドウィッチを撮るということにありました。もちろん、ページをつくる編集者のためにということです。
乱暴な書き方をしますが、この撮影ディレクションさえうまく行けば撮影はほとんど終わったも同然だとも思えるのです。もちろん、自然光を使うなら天気の良い日を選ぶとか、撮る物に応じた機材選びとか。。。でもそれはすべて作業であって、撮影の本質ではないと思うのです。
本質=そのものとして欠くことができない、最も大事な根本の性質・要素 撮影毎に、今回撮影の本質はなんなのか?それは、誰のためのどんなテーマなのか?
それを考えることが写真の仕事の面白さ、それこそ撮影の仕事の本質なのではないかと、このごろ考えるようになりました。
まぁ、職場では「あいつ、いつも難しく考えすぎている」と言われちゃうんですけどね(^^;;;

こちらが
ローストビーフ(バケット)のサンドウィッチをつくっている、島田市のペアバルーンさん。
オーダーすると一皿に三つで提供されていますが、今回は切り抜かれるとのことでひとつで撮りました。具材が挟まれている感じは今日の写真では出ていませんが、店長さんによると当店のサンドウィッチは軽食ではなくきちんとした食事として量も考えて提供していますとのこと。そんな写真ももちろん撮って帰ってきましたよ。
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